自分らしい豊かな声

テレビや映画でおなじみの森の中に生きるターザン。
「ア~アア~~!!!」と大きな声で叫びながら木のつるを伝って移動し、広い森中にその声を響き渡らせます。

ギャン泣きする赤ちゃん。こちらも大きな声です!
なかなか泣き止まないと大人たちはオロオロするばかり。

赤ちゃんはお腹をぺっこんぺっこん膨らましたり凹ませたりしながら、それこそ全身で声を出して泣きますよね。

赤ちゃん時代が過ぎ、保育園や幼稚園に通う幼児の頃。これまた子どもたちは大きなのびのびした声で遊び、はしゃぎます。私の家の近くの保育園の庭からはいつも子どもたちの賑やかな声が聞こえて来ます。

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「ところが」なのです。
小学校の2~3年生辺りから、特に女の子たちから、声が変化して来ています。
それは「声変わり」といった生理的なものではなく、多分社会的な心理的な要因だと思われるのですが、妙に薄っぺらい作ったような声でしゃべり始める子が増えて来るのです。

自分の外側とのコミュニケーションを取るために、本当の自分を見せずに、ある意味「仮面」のように作った声で話し始めるのです。この傾向は日本では顕著で、特にここ数十年その傾向が加速しているように思われ、専門家たちは危惧しています。

本来の自分自身とは別物の「社会的自分」のその声は、薄っぺらくて浅い声です。息をたっぷり利用していませんから、響きも弱く喉声になります。カサカサしていて変に耳にきつく届くけれど遠くまで届かない声。

それは大人になっても続きます。本当は、もっと本来の自分と繋がり豊かな表情を持つ声を出せるのに、本人もその薄っぺらな声が自分自身の声だと信じで生きていきます。

基礎的な訓練をしっかり受けた役者さんやアナウンサー、歌手の人たちは、自己表現の一つとして、そして声のプロとして、本来の豊かな自分の声で話し歌っています。
欧米を中心とする諸外国では、子音が多いといった言語的な理由や個を尊重する伝統もあり、豊かな声で話し生活する人が大半です。

残念ながら今の日本では、「音」としての声が非常に乱れています。
MIA VOCEでは、この声の質の違いに気付く人が増え、そこから生き方をまでリセット出来る人が増えることを願っています。

 

 

 

 

 

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